水戸ホーリーホックとユアプロの6年|J1昇格を支えた『遺伝子分析×個別化』の歩み

監修

ユアプロ代表 長峯 誠

栄養サポート事業を通じて、プロアスリートや日本代表選手、育成年代のスポーツキッズまで幅広くサポート。これまで累計4,000名以上の栄養サポートに携わり、一人ひとりの競技特性や成長段階に合わせた身体づくりを支援してきた。現在は株式会社キーマイン代表として、遺伝子分析プログラム「ユアプロ」の企画・監修、遺伝子分析レポートの開発を行い、「遺伝子を知る」だけでなく「活かす」ことを大切にしたサービスづくりに取り組んでいる。

2026年、水戸ホーリーホックはJリーグ加入から27年目にして、初めてJ1の舞台へ挑むことになりました。

このニュースを聞いた時、私自身、本当に胸が熱くなりました。

ユアプロが水戸ホーリーホックと取り組みを始めたのは2020年。

当時、Jリーグクラブとして初めて、遺伝子分析栄養プログラム「ユアプロ」を導入いただいたことが始まりでした。

そこからトップチームでの共同研究、選手一人ひとりの先天体質に合わせた食事・栄養サポート、フィジカルデータや血液検査、アンケートをもとにした検証、そしてユース年代への導入へと、取り組みは少しずつ広がっていきました。

私たちが一貫して大切にしてきたのは、遺伝子検査を「結果を知るもの」で終わらせないことです。

選手自身が自分の身体を知り、納得し、日々の食事やトレーニング、睡眠、ケアに活かしていくこと。

その積み重ねが、水戸ホーリーホックの掲げる育成や個別化の考え方と重なり、6年以上にわたる歩みにつながってきたのだと思います。

今回、J1という新たな舞台へ進む水戸ホーリーホックの歩みを見ながら、ユアプロとして関わらせていただいた時間を振り返り、改めて「遺伝子分析×個別化」がスポーツ界、そして育成年代にどのような可能性を持っているのかをお伝えしたいと思います。



2020年、Jクラブ初のユアプロ導入から始まった挑戦

ユアプロと水戸ホーリーホックとの取り組みが始まったのは2020年。

当時、ユアプロはアスリート向けの遺伝子分析栄養プログラムとしてサービスを展開していましたが、Jリーグクラブで導入されるのは水戸ホーリーホックが全国で初めてでした。

私たちが目指していたのは、「遺伝子検査を受けてもらうこと」ではありません。

本当に実現したかったのは、遺伝子分析で分かった先天的な体質を、日々の食事や栄養、トレーニング、コンディショニングにどう活かせるかを検証することでした。

そのため、水戸ホーリーホックとは単なるサービス提供ではなく、共同研究という形でスタートしました。

選手一人ひとりの遺伝子分析結果に加え、血液検査データやフィジカルデータ、定期的なアンケートなども活用しながら、「目的 × 現在の状態 × 先天体質」を掛け合わせたサポートを実施。

食事や生活習慣、トレーニングの考え方まで含め、一人ひとりに合わせた個別化に取り組んでいきました。

当時は、スポーツの現場で遺伝子分析を活用する取り組み自体がまだ珍しく、「本当に現場で活かせるのか」という声も少なくありませんでした。

だからこそ私たちは、水戸ホーリーホックの皆さまと一緒に、現場で検証を重ねながら、一つひとつ成果と課題を積み上げていくことを大切にしてきました。

今振り返ると、この挑戦がユアプロにとって大きな転機となり、その後のサービス開発や育成年代への展開にもつながる原点になったと感じています。



選手の意識を変えた「自分の身体を知る」という体験

共同研究を進める中で、私自身が最も印象に残っているのは、選手たちの意識の変化でした。

遺伝子分析を受けた選手からは、

「自分の身体を知ることができてよかった」

「苦手だと思っていたことが、実は思い込みだった」

「食事の選び方が変わった」

「朝のコンディションや疲労感が変わってきた」

など、多くの声をいただきました。

特に印象的だったのは、「筋肉のタイプ」です。

自分では持久系だと思っていた選手が、実は瞬発系だった。

逆に、瞬発系だと思っていた選手が持久系だった。

そうした思い込みが、遺伝子分析によって客観的な情報へと変わり、その後のトレーニングや身体づくりの考え方まで変化していきました。

また、栄養面でも変化がありました。

選手たちは毎日の食事を管理栄養士へ送り、脂質の摂り方や糖質のタイミング、ビタミンやミネラルの不足など、一人ひとりに合わせたアドバイスを受けながら少しずつ改善を重ねていきました。

その結果、「魚を食べるようになった」「朝食の内容を変えた」「試合前後の補食を意識するようになった」など、日々の生活の中で自然と行動が変わっていったのです。

私は、この納得して行動できることこそがユアプロの価値だと考えています。

遺伝子分析は、未来を決めるものではありません。

しかし、自分の身体を知ることで、「なぜこの食事が必要なのか」「なぜこのケアを続けるべきなのか」を理解し、自分自身で選択できるようになります。

この小さな意識の変化が、長期的には大きな差につながっていくと、私は水戸ホーリーホックとの取り組みを通して実感しました。



トップチームからユースへ。育成年代にも広がった取り組み

2021年になると、水戸ホーリーホックとの取り組みはトップチームだけでなく、ユース世代へも広がっていきました。

この決定は、私たちにとって非常に大きな意味を持つものでした。

これまで多くのトップアスリートと関わる中で、何度も耳にしてきた言葉があります。

「もっと早く知りたかった。」

栄養のこと。身体づくりのこと。自分の体質のこと。

トップレベルまで競技を続けてきた選手ほど、その言葉を口にしていました。

だからこそ私は、「本当に届けるべきなのは育成年代ではないか」と考えるようになりました。

成長期は、一生の中でも身体が大きく変化する特別な時期です。

身長が伸び、筋肉や骨が作られ、競技力も大きく伸びていく。

その大切な時期に、自分の身体を知り、正しい食事や睡眠、コンディショニングについて学ぶことは、将来の競技人生にも大きな意味があります。

育成を大切にする水戸ホーリーホックとともに、この取り組みをユース世代まで広げられたことは、ユアプロにとっても大きな転換点になりました。

そして現在、私たちが育成年代のサービスに最も力を入れている原点も、この経験にあります。



J1昇格を支えたキーワード“個別化”とは

2026年、水戸ホーリーホックは悲願だったJ1昇格を果たしました。

その後、サッカーキングで公開された記事では、水戸ホーリーホックの躍進を支えたキーワードとして「個別化」が紹介されていました。

選手一人ひとりの筋肉の特徴。疲労の傾向。睡眠への影響。食事の選び方。

そして、その情報をトレーナーやフィジカルコーチも共有し、トレーニングやコンディショニングまで一人ひとりに合わせて考えていく。

まさに私たちが6年間一緒に取り組んできた考え方です。

もちろん、J1昇格の理由がユアプロだけにあるとは思っていません。

監督、コーチ、スタッフ、クラブ関係者、そして選手の皆さんの日々の努力があってこその結果です。

しかし、その中の一つのピースとして、「自分の身体を知り、自分に合った身体づくりを行う」という文化づくりに携われたことは、私たちにとって大きな誇りです。

▶J1リーグ初参戦の水戸は遺伝子検査による“個別化”を武器に旋風を巻き起こせるか



トップアスリートの知見を、育成年代の子どもたちへ

水戸ホーリーホックとの6年以上の取り組みを通して、私が最も伝えたいことがあります。

それは、トップアスリートだから特別なのではなく、トップアスリートが大切にしている考え方こそ、育成年代に必要だということです。

もちろん、小学生や中学生にプロ選手と同じ管理をする必要はありません。

しかし、自分の身体を知ること。食事を大切にすること。疲労回復や睡眠を意識すること。

そして、自分に合った方法を自分で選べるようになること。

これらは、競技レベルに関係なく、成長期のすべての子どもたちに必要な力だと考えています。

私たちが現在、育成年代向けのユアプロに力を入れている理由も、まさにここにあります。



「もっと早く知りたかった」を未来の後悔にしないために

2020年から始まった水戸ホーリーホックとの取り組みは、私たちユアプロにとって、多くの学びと成長をいただいた大切なプロジェクトです。

選手一人ひとりと向き合い、遺伝子分析をもとにした個別化を現場で実践し続ける中で、改めて確信したことがあります。

それは、遺伝子分析は「知ること」が目的ではなく、「活かすこと」に本当の価値があるということです。

自分の身体を知り、その情報を食事や睡眠、トレーニング、コンディショニングに落とし込み、継続していく。

その積み重ねが、競技力だけでなく、その先の競技人生や身体づくりにもつながっていきます。

現在も水戸ホーリーホックとの取り組みは継続しており、さらに他のJリーグクラブや様々な競技のアスリートへのサポートにも広がっています。

そして今、私たちが最も力を入れているのが、育成年代への取り組みです。

これまでトップアスリートの現場で積み重ねてきた知見を、成長期の子どもたちと、その成長を支える保護者の皆さまへ届けること。

それが、ユアプロが目指している未来です。

私自身、多くのトップアスリートから「もっと早く知りたかった」という言葉を何度も聞いてきました。

だからこそ、その後悔を未来の子どもたちにはしてほしくありません。

ユアプロはこれからも、スポーツや競技の垣根を越え、一人ひとりに寄り添いながら、「遺伝子を知る」だけで終わらない、本当に活かせるサポートを届け続けていきます。

プロアスリートサポート実績

サッカー

畠中 槙之輔 選手

プロサッカー選手

生まれ持った自分の体質や身体の特徴をしっかり理解することで、今後のトレーニングやケアの仕方も改善できるので楽しみです。管理栄養士さんが個別に食事のアドバイスを頂けたので、まずは自分の体質に合わせて、なにをどのタイミングでどれくらいの量を!など取り組んでいきます。

サッカー

鈴木 武蔵 選手

プロサッカー選手

大好きなサッカーを少しでも長く続けて行くために食事のアドバイスを受け、その中で自分に合ってる食べ物、合ってない食べ物を知る事はとても大事な事だと思います。アスリートだけに関わらず自分の遺伝子情報を知る事によってより効率的に健康的な身体に近づけると思います。

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