スポーツと食事の関係性を考える~スポーツ栄養基礎②・・・
2019/12/16
BLOG
こんにちは。
管理栄養士の大野公子です。
スポーツと食事の関係を考えるシリーズ第⑤になります。
前回までの記事はこちらから。
今回はミネラルについてです。
ミネラルとは、三大栄養素の糖質・脂質・タンパク質とは違って必須な量は微量なのですが、身体にとって欠かせない栄養素です。
種類としては、カルシウム、鉄、ナトリウムなどの16種類の必須ミネラルがあります。
ミネラルの主な働きとしては、骨・歯など体の構成成分になったり、からだの調子を整える働きがあります。ミネラルは体内で合成することができないため、食事からとることが必須です。
不足すると、鉄欠乏性貧血、カルシウム不足で強い骨が作られないなど、さまざまな症状が発生します。運動量の多いアスリートは、鉄欠乏貧血で悩んでいる方も多くいますし、骨にしっかりカルシウムを届けていく必要もありますね。
では今回はアスリートが最低限知っておきたい「ミネラル」の中でカルシウム・マグネシウム・鉄にについて書いていきたいと思います。
骨や歯の主な成分で、欠かさず摂る必要があります。
他にも筋肉の収縮を助ける、精神を安定させるなど大切な働きがあるミネラルのひとつなのです。
アスリートに関しては、汗の中に含まれていることもあり、1000〜1500mg程度摂取すべきではないかと考えているデータもあります。
またどの年代でも必要な栄養素なのですが、特に必要なので成長期の子供たちです
。
12-14歳の子どもが1日に摂取したいカルシウム推奨量は、
男性が約990mg、女性が約740mgです。
一方、30〜49歳の1日に摂取したいカルシウム推奨量は
男性が約810mg、女性が約660mgです 。
一生を通じていちばんカルシウムを必要とするのは、男女共に12~14歳の間です。
つまり、体は小さくても、成長のためにたくさんのカルシウムが必要だということです。子供だから大人の半分でいいだろうというわけではないです。
体重あたりにすると、子どもは大人の2〜3倍くらいたくさんとらなければならないです。
成長期は、カルシウムの吸収率がいちばん良い時期です。またこの時期のカルシウム摂取量が、年をとってからの骨量に影響します。現役を長くそして怪我無く、スポーツを続けていきたいと思うジュニアアスリートは、しっかり今からカルシウムを摂るべきです。
食品は、乳製品や緑黄色野菜や魚などに多く入っています。
また先天的体質で骨の新陳代謝に影響している遺伝子なども調べることができます。自分の先天体質を知っていくのも大事ですね。
カルシウムと一緒に骨を作るうえで必要な栄養素ですが、ここではもうひとつのマグネシウムの大きな働きである酵素の働きを助ける役割について。
酵素とは、食物を消化分解し、体内に吸収された栄養素を、代謝してくれるもの。
つまり酵素は身体にすごく大事なものなのです。 この酵素を活性化するためにマグネシウムが使われます。
糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素はアスリートが運動する上で非常に大事です。むしろ一般の方より多くの食品を食べていくアスリートはこの三大栄養素をしっかり酵素を使って身体が使える形に変換する必要がありますね。
マグネシウムをしっかり摂って、この三大栄養素を活かしていきましょう。
食品は、
大豆製品や海藻類や野菜やナッツ類に多く入っています。
鉄は酸素を運ぶ上でとても大切な働きをしています。
鉄が不足すると、酸素の供給が十分にできない状態となります。これを「鉄欠乏性貧血」といい、アスリートは悩むことが多い1つの問題です。
集中力の低下や、頭痛、食欲不振などの症状があります。また、筋力低下や疲労感といった症状も起こりますのでアスリートはしっかり避けていきたいですね。
貧血と診断されていなくても、貯蔵鉄が少なくなっていて隠れ貧血気味なアスリートも多いです。疲労感や倦怠感などはもしかしら鉄不足が原因かもしれません。遺伝子項目にもある持久力の部分にもこの栄養素は深く関わってきます。
鉄には、吸収率が10~30%の「ヘム鉄」と1~5%の「非ヘム鉄」に分けることが出来ます。
食品例としては、
ヘム鉄は、赤身の強い お肉(レバー・砂肝など)やお魚(鰹やまぐろ)など
非ヘム鉄は、ほうれん草や小松菜、貝類、納豆、卵などです。
毎日なかなかヘム鉄を摂るのは難しいと思いますので、非ヘム鉄を習慣化して、週の中で意識できるときにヘム鉄を摂っていくのでも良いと思います。
以上です。
ミネラルは他にも多くの栄養素がありますので、また今度違った栄養素をご紹介します。
アスリートは日々のコンディショニングが大事になりますね。
その中で、食事を見直すと、ヒントが必ず見つかります。そしてそれを今は先天的な体質を知って自分にあった食事を考えていくこともできる時代になってきました。
ぜひ情報をつかむだけでなく、それを効率よく活かす検査も検討しながら、パフォーマンス向上をはかられるといいかと思います。