遺伝子情報は「知る事」だけではなく「活かす事」が・・・
2019/07/08
BLOG
こんにちは。
アスリートにとって絶対に切り離せない食について、パフォーマンスを上げるための選択肢を広げるためにお伝えできたらと思っています。
今回は食物繊維についてです。
前回の記事はこちら
食物繊維は身体の調子を整える上で非常に大事です。
普段カウンセリングをしていて摂ったほうが良いということはご存知の方が多いですが、どんな働きがあるのか、どれくらい摂るのが良いのかなど詳しくはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は食物繊維の働きや摂ることのメリットなどお伝えします。
食物繊維は炭水化物の一種で、「ヒトの消化酵素で消化されない難消化性成分」と定義されています。
水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に分類されます。
特定保健用食品(トクホ)として販売されている商品の多くに「難消化デキストリン」と呼ばれる成分が配合されています。
この難消化デキストリンも食物繊維の一つであり、糖質・脂質の吸収を抑えてくれる商品となっています。
食物繊維は消化・吸収されずに消化管を通り、腸に到達しますが、その過程で機能を発揮します。食物繊維の役割は大きく分けて以下の2つです。
不溶性食物繊維は、腸の働きを刺激し、排便を促します。腸内の糞便の滞留を防ぎ、有害物質の生成を防ぎます。腸内環境が荒れると、食べたもの吸収もスムーズではなくなります。また腸内環境とアスリートには深い関りがあることは多くの研究でも明らかになってきておいます。腸内環境を整えることはアスリートには必須になりますね。
水溶性食物繊維の粘性が腸管のグルコースの吸収を低下させます。糖質や脂質はゲルに取り込まれることで、拡散しづらくなり、消化・吸収が遅れ、それによって吸収を防ぎます。
ウエイトコントロールが大事なアスリートも多いと思いますし、日常生活で、血糖値が急激に上がることは、身体にも大きな負担をかけてしまうことになります。疲労感や倦怠感、気分のムラやイライラにも繋がりますので、しっかり水溶性食物繊維を食事の前に摂ることがポイントになりますね。
不溶性食物繊維
働き→便秘の予防、改善、有害物質の排泄作用
種類(食品)
セルロース(穀類、豆類、野菜)
ヘミセルロース(穀類、豆類、野菜、海藻類)
ペクチン(野菜、未熟果物)
リグニン(豆類、穀類のふすま、野菜、ココア)
イヌリン(ゆり根、ごぼう、キクイモ)
キチン(カニ、エビの殻)
水溶性食物繊維
働き→血糖値や血清コレステロールの上昇を防ぐ、腸内環境の改善
種類(食品)
ペクチン(果物、特にりんごや柑橘類の皮、野菜)
グアガム(ある種のマメ科の植物)
アルギン酸(昆布、わかめ)
グルコマンナン(こんにゃく)
食物繊維は野菜、海藻類、キノコ類などに多く含まれます。野菜に多いとはいえ、生野菜サラダばかりではかさが多く、量がなかなか取りにくいという方は煮物やおひたしなど、火を通したほうがかさが減ってたっぷり食べられます。
豆類、乾物、芋類などにも豊富なので、これらを使ったおかずを取ることができると良いですね。また、ご飯は押し麦や玄米、雑穀入りに、パンは全粒粉のパンやライ麦パンにすると効果的にとることができます。
(※食事摂取基準の表入れる)
成人男性だと20g/日以上、成人女性だと18g/日以上が必要です。
1日3食と考えると1食6g以上の摂取が理想ですね。
<食物繊維を多く含む食品>
ごぼう1/2本(100g)→5.7g
かぼちゃ120g→4.2g
りんご1個(300g)→3.6g
押し麦2/3カップ(70g)→6.7g
おから 卯の花炒り1食分(50g)→5.8g
食物繊維は、食品から摂る限り、過剰症の心配はありません。しかし、サプリメントなどで単一の食物繊維を多量に摂ると、下痢を起こすことがあります。
食物繊維が不足すると、便秘や痔などになります。さらに、腸内でつくられた有害物質が長く留まることで腸内環境が悪化し、発ガンのリスクが高まります。
食物繊維を生かし、腸内環境を整えること、血糖値の乱高下を防ぐことで、ウエイトコントロールがしやすくなったり、怪我を防ぐことに繋がります。
特に血糖値が上がりやすい体質の方、一度上がると下がりにくい体質の方は特に食物繊維を意識してとることができると良いですね。
遺伝子検査を受けて、自分自身の先天体質を知り、効率よくアプローチしていくことが理想の身体への近道です。